ISHIMOTO Sustainable Architecture 2021 WINTER
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10階段状の護岸整備前の水路保存された桜並木と散策路・水上ステージ新設のブリッジ新校舎ではパッシブ手法・アクティブ手法を用い、寒暖差の大きい熊谷においても、省エネと快適な教学環境の実現を両立しました。自然エネルギー利用の促進やBEMS による省エネチューニングにより新校舎運用開始から1年間の一次エネルギー消費量は866MJ/㎡・年となり、大学の平均値 よ※り42%のCO2が削減    米山 浩一されています。エンジニアリング部門環境G多様な生態系を育むキャンパスフォレストの保全とランドスケープ整備が評価され、大学として初のSEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)認定サイトとなっています。再整備にあたり2300本に及ぶ既存樹調査と維持保全、300 本の新規植樹を実施。都心では実現しがたい豊■原かなキャンパス由紀子となりました。設計部門建築G修景のみならず、公共下水のないこの地域のインフラとしても水路の整備は必要とされました。水路際の既存の桜並木を残して整備を行い、水路にかかるブリッジも付け替えを行いました。建築的スケールのブリッジはPC構造としています。 原 健一郎エンジニアリング部門構造G2013年 第27回空気調和・衛生工学会振興賞 技術振興賞2012年 第10回環境・設備デザイン賞Ⅲ 環境デザイン部門 最優秀賞バランス式逆流防止窓による自然換気自然通風既存井戸水利用スポーツキューブ2011年 日本建築学会作品選奨・選集2011年 グッドデザイン賞 土木・環境設備・地域開発・都市デザインハイサイドライトからの自然採光アリーナ建築主:学校法人立正大学学園所在地:埼玉県熊谷市主要用途:大学設計-意匠:■原由紀子、菊池靖構造:原健一郎、甲斐信広機械:関根能文電気:米山浩一雨水利用床吹出空調アカデミックキューブ敷地面積:280,532 ㎡建築面積:9,489 ㎡延床面積:24,873 ㎡構造:SRC 造・RC 造・一部S 造階数:地下1 階 地上6 階竣工:2009 年3 月既存大樹による直射光カット自然換気自然採光地熱による外気の予熱・予冷20m10mパッシブ手法とアクティブ手法を活かした熊谷キャンパスの断面イメージ5m熊谷市郊外の、この地域には森が広がり畑・集落など生活の場は森に■たれた孔のようなパターンを成し、風景をかたち作ってきた歴史がある。既存キャンパスもこのパターンに倣い、水路を挟んで北側に校舎やグラウンドが、南側に森が存在した。これらを再定義し、ランドスケープ整備も含めて取り組んだ、キャンパス・リノベーションの計画である。キャンパスの臍:新校舎建設を行うアクティブゾーンと緑を保全するキャンパスフォレスト、2 つのゾーンが対となってキャンパスの魅力を高め、ひとと自然と建築が融合した資産としての風景を実現した。スチューデントプラザ大屋根(雨よけ・日よけ)トップライトからの拡散光既存部室棟部室部室部室既存接続ピット2つの手法による省エネ効果09更衣室トレーニング室軽運動室再生された水路と階段状の護岸とブリッジ※(財)省エネルギーセンター「ビルの省エネルギーガイドブック(H19 年度版 )」の大学(医療系を除く)レンガスクリーンによる外壁負荷低減昼光センサー初期照度補正による自然採光利用メディアフォレスト太陽光発電 40kwメディアセンター自然通風高効率機器の採用BEMSによる機器運用の適正化ひとの姿がみえるキャンパス研究室研究室研究室研究室小教室自修スペース両面採光大教室ロビー熱源機械室研究室研究室ゼミ中教室アトリウム床冷暖房大教室エントランスエコピット水蓄熱槽 1200m3寒暖差の大きい熊谷の気候快適温度帯E’アクティブ手法パッシブ手法パッシブ手法アクティブ手法E’エコアイテムによる省エネ効果資産としての風景 - 多様な生態系を育むキャンパス立正大学熊谷キャンパス

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