ISHIMOTO Sustainable Architecture 2021 WINTER
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012020年の世界的なロックダウン・行動制限の際に、世界各地で空が澄み、山並みがはっきり見えたことが報じられました。Co2については世界全体で年平均7%ほどの排出量減少につながっていると言われており、産業革命以降かつてない減少となっています。※1しかしながら2020年の世界の平均気温は2016年と並んで観測史上最高であり、もはや地球温暖化問題は気候危機の状況に立ち至っています。※2「エコロジー」と「エコノミー」は同じ「家」を意味する言葉を語源にもっている※3にも関わらず、人間の活動と環境の改善が反比例する状況を解消しなければ、持続可能な社会は達成できません。各企業も長期的成長を目指すために、ESG※4に配慮した取り組みを行っています。私たちは、建築における取り組みとして、「環境統合技術」をご提案します。環境統合技術は、建築を常に環境を含めた全体像として認識し、最適な解答を建築に具現化するための手法です。その価値は、デザイン力により環境装置をレベルの高い建築に昇華させることにあります。このリーフレットに取り上げた9作品は、それぞれの建築テーマを持った上で環境統合技術を実践しています。「エコロジー」と「エコノミー」が、同じ「家=建築」のなかに共存している事例です。持続的可能な社会に貢献できるよう、これからも一つひとつの建築や街づくりに向き合ってまいります。※1:気象庁気象研究所2021年5月7日プレスリリースによる※2:令和3年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書による※3:ギリシャ語で「家」を意味する、オイコス【oikos】に由来※4:ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとって作られた石本建築事務所の「環境統合技術室」は、従来の建築設計の枠組みにしばられません。アーキテクト・デザイナー・エンジニア、多様な専門領域を横断的に統合する、自由なプラットフォームです。一つひとつのプロジェクトを「優れた環境装置」へ成長させるとともに、「設計・建設・運用後の実測・評価分析・研究」を通じて得た知見を、集合知=「重点研究」として、深化させています。各重点研究チームは、「実践」にもとづいた「研究」を通じて、社会に新しい価値を示すべく、連携しながら活動しています。環境統合技術室WEB:www.ishimoto.co.jp/environment/ 環境統合技術室環境統合技術室とは持続可能な社会に向けて:私たちができること

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