高砂市立図書館

兵庫県高砂市 2015年

シンプルな中にそれぞれの居場所をつくる

ひとつながりの大きなワンルーム空間である開架スペースと、その周囲に点在させたヒューマンスケールの閲覧スペースのボリュームを大きなひとつの屋根で覆ったシンプルな構成としている。屋根を支えるボリュームは深い陰影と荒い肌理の左官仕上げにより、日本三奇の「石の宝殿」や地場の竜山石の石切り場を想起させる。
大きなワンルームの開架スペースは家具で緩やかに分節され、ボリュームと大屋根による彫りの深い形態により、ガラスに囲われた開放的で明るい閲覧スペースや本に囲まれた静かな読書スペースなどさまざまな居場所を共存させている。遠くに石切り場を眺めながら読書をしたり、静かに好きな本に熱中したり、仕切りのない空間の中で訪れる人が自分の好きな場所を探して読書を楽しめる構成とした。
大きく張り出した屋根と庇、および木の縦ルーバーにより日射を制御し、また床輻射冷暖房によって環境負荷を抑えている。
大きく外に開いた閲覧スペースと適度に閉じた閲覧スペースによって、外を行き来する人と中で読書を楽しむ人が適度につながり、多くの市民が自然と足を運べる図書館となっている。

所在地:
兵庫県高砂市
構造:
RC造
規模:
地上2階
延床面積:
2,830m2
竣工:
2015年09月
撮影:
株式会社エスエス大阪支店

2016年 兵庫県人間サイズのまちづくり奨励賞 まちなみ建築部門