トーヨーアサノ新本社屋
- 静岡県沼津市
- 2025年
環境配慮と快適な執務空間を両立し
地域景観と調和する『ZEB』オフィス
『ZEB』の達成と快適な執務空間の実現
静岡県沼津市原の住宅地に建つ、コンクリートパイルを製作・販売するトーヨーアサノの本社である。顧客要望のフルZEB(BEI-0.02)を2階建ての建築で実現するため、1階をピロティとし2階のボリュームを確保。屋上に十分な太陽光発電設備を設置し、創エネルギー量の最大化を図った。熱負荷の大きい東西面は開口部を設けず断熱性を高めるパッシブ手法と、高効率空調設備などのアクティブ手法を融合させ、最適な省エネルギー環境を構築。南北面には庇やテラコッタルーバーを設け、日射と視線を適切に制御した。さらに、南北に長く伸びる執務空間には光庭とトップライトを設け、自然光が降り注ぎ、視線が抜ける開放的で快適な空間を実現している。
地域に溶け込み、この地区ならではの景観を形成
建物高さはプレストレス梁を採用することで抑え、周囲の住宅地と調和するスケール感とした。開口部のない東西の外壁は、コンクリートの表面を削り濃淡をつけ、地層のような質感に仕上げている。西側の通り抜け道には、同社の製品である杭を活用した照明や、植栽を配置。旧東海道沿いで寺社が多く、落ち着いた雰囲気をもつ原地区にふさわしい、趣のある景観を形成している。「創業の地に新本社を建てることが地域貢献になる」という社長の想いを、地域に根ざした建築として具現化したプロジェクトである。
- 所在地
- 静岡県沼津市
- 構造
- RC造
- 規模
- 地上2階
- 延床面積
- 1,339m2
- 主な用途
- 事務所
- 竣工
- 2025年02月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所
船来 洋志 中古 樹
- 備考
『ZEB』
建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業採択