環境統合技術優れた建築は、同時に
優れた環境装置でもある。

ISHIMOTOが実践する「環境統合技術」は、
建築を常に環境を含めた全体像として認識し、最適な
解答を建築に具現化するための手法です。
環境「統合」技術の価値は、デザイン力により環境装
置をレベルの高い建築に昇華させることにあります。
環境・社会・価値観の変化にしなやかに対応し、成
長する「環境装置」を生み出し続けていきます。

2015年ミラノ国際博覧会日本館

環境統合技術室とは

「優れた環境装置」を成⻑させる、⾃由なプラットフォーム

ISHIMOTOの「環境統合技術室」は、従来の建築設計の枠組みにしばられません。
アーキテクト・デザイナー・エンジニア、多様な専門領域を横断的に統合する、自由なプラットフォームです。
一つひとつのプロジェクトを「優れた環境装置」へ成長させるとともに、
「設計・建設・運用後の実測・評価分析・研究」を通じて得た知見を、集合知=「重点研究」として、深化させています。
各重点研究チームは、「実践」にもとづいた「研究」を通じて、社会に新しい価値を示すべく、連携しながら活動しています。

ISHIMOTO Sustainable
Architecture

環境統合技術を実践する当社の作品紹介や環境統合技術室の活動内容をまとめた広報誌です。

⾃然通⾵

風を「感じる」、日本では古来より自然の風を積極的に建物に取り入れてきました。例えば京都の町家などは季節によって建具を操作し、風の流れをコントロールしています。近年の空調技術の発展により、冷暖房完備・機械換気が主流となっていますが、それでも「外の風」を感じたい、それが人間の本能ではないでしょうか。
当社では90年代のボイド空間を有するオフィスビルを皮切りに、片側開口型、ウィング型など様々なタイプの自然通風を研究しており、オフィスビルの他、学校、公共施設など幅広く導入しています。通風デザインは建築設計の原論であり、建物ボリュームからディテール検討、さらには運用に至るまで統合的デザインを実践しています。

<代表作>

新座市庁舎
鹿児島銀行本店
島⽥市役所
早稲⽥大学中野国際
コミュニティプラザ
      

光環境

人が目で実際に「知覚する」光環境、アピアランスに基づいた設計・研究を行っています。従来の照度による設計とは異なり、アピアランスでは、光環境シミュレーションによるパース画像の作成・解析を行い、完成時の視覚的な体験を推定し、設計を進めます。大空間での自然採光とグレア抑制を実現した体育館や、夕暮れの眺望を活かしつつ、安定した光環境を実現したオフィスなど、実例を積み重ねています。省エネ効果も検証されており、今後ますます用いられる指標と考えています。
快適で豊かな光環境の実現のためには、それをイメージするデザイン力と、実現する技術力の両方が必要です。アーキテクト・デザイナー・エンジニアが一体となって研究・実践を行っています。

<代表作>

島根銀行本店
東邦大学習志野キャンパス
スポーツアリーナ
岩国市⽴東⼩学校・東中学校
船場センタービルリニューアル

放射空調

天井面や床面などを冷却(加熱)し、熱放射による伝熱で空調する比較的新しい方式です。当社では2004年に竣工した大学をはじめ、事務所、病院、庁舎建築に導入しています。天井放射パネルの能力評価や、個別制御性、循環ポンプ動力低減といった課題の解決やデザイン上の工夫について、研究・設計・実践を行っています。病院では個室病床に導入する水熱源ヒートポンプ放射空調ユニットを開発しました(特許取得)。大学、庁舎では重点研究の「光環境」と連携し、タスクアンビエント照明と統合した天井放射空調を設計しています。まだ、技術的に課題がある空調方式であり、CFD(数値流体力学)解析による放射空調と対流空調の連成解析など、更なる進化のために活動しています。

<代表作>

大阪工業大学 梅田キャンパス
OIT梅田タワー
帝京大学医学部
附属病院新館
上⽥市役所
⽇本⼤学法学部
図書館

ライフサイクル
コスト

「優れた環境装置」たる建築は、竣工がゴールではなく、建物の一生にわたってその真価を発揮することが重要と考えます。「100年建築」とよく言われますが、躯体(建物の構造体)の性能は向上し、長く保持されるようになりました。一方、長く「使い続ける」「性能を維持する」ためには、必要とする修繕・改修やその時期について、分かり易い評価指標を基に、経営者・施設運用者など、関係者全員に説明・共有・合意すること、その上で適切なコストを適切なタイミングで確保していくことが重要です。当社ではそのような建物の一生に係る費用=ライフサイクルコスト 評価手法の研究やデータベース化をライフサイクルCO2排出量の評価も含め行い、蓄積しています。

<代表作>

富⼠屋ホテル
⼩諸市庁舎 こもろプラザ
こもろ医療センター
中津川市⽴福岡⼩学校
ミツカングループ
本社ビル

ZEmB

2030年までの⽬標として新築公共建築物のすべてをZEB化、2050年までには温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの達成、さらには温室効果ガスだけではなく廃棄物の排出をゼロにするゼロエミッションと、包括的な視点での”ZERO”へ向けた取り組みが必要とされています。⽯本建築事務所の⽬指す「優れた環境装置としての建築」の⼿がかりとして、ZEmB(ゼロ・エミッション・ビルディング)はこれからの環境建築を作り出す上で⽋かせない観点となります。 ⽯本建築事務所の⽬指す「優れた環境装置としての建築」が、ZEBの概念を包含したZero Emission Building = ZEmBへと向かうために何が必要か、知⾒の共有と意⾒交換によって、ZEmB[ゼブ]からZEmB[ぜんぶ]を考えます。

<代表作>

⼋潮市役所
仙台市庁舎
獨協大学コミュニティスクエア
名古屋ステーションAi

ご質問やご感想など、お問い合わせはこちらにお願いします。
kankyo@ishimoto.co.jp