雄武町図書館
- 北海道紋別郡雄武町
- 2019年
地域産材でつくるまちのみんなの居場所
オホーツク海沿いの小さな街、雄武町に図書館を建てる計画。
既存の図書館は旧郵便局を改修したもので狭隘かつ老朽化が進んでいたことから、図書館を新築することにより図書館機能の充実を図ることで生涯学習の新たな拠点となるとともに、多世代が集う交流拠点となることを目指して整備された建物である。そのため、図書館は大きなワンフロアとし、そこに大きな木造の屋根を架けることで、大屋根の下で子どもからお年寄りまで皆で集まって読書やおしゃべりを楽しむことができる居心地の良い居間のような空間を実現した。屋根の木材は道産材のカラマツを使用し、16メートルの大スパンを無柱空間とする張弦梁は、一般に流通する木材と住宅建築の金物や継手を活用して地元の大工職人だけで施工可能なものとした。さらに木造部分を1,000平方メートル以下とし防火壁で区画することで建築基準法上の耐火・準耐火建築物にしない木造として、建築コストを抑える工夫を行った。また、施設北側の閲覧コーナーの床をその他の部分よりも450ミリメートル高くすることでオホーツク海を一望できる場所を設け、木造の屋根の下で海を眺めながら気持ち良く読書ができる空間を演出した。
- 所在地
- 北海道紋別郡雄武町
- 構造
- W造/一部RC造/一部S造
- 規模
- 地上1階
- 延床面積
- 1,295m2
- 主な用途
- 図書館
- 竣工
- 2019年03月
- 撮影
- 佐藤 文昭