中央区立晴海西小学校・晴海西中学校

  • 東京都中央区
  • 2024年

新しいまち をつなぐ

重なり合う「イエ」と「ニワ」でつくるさまざまな居場所

東京2020オリンピック の選⼿村跡地、約18haの広⼤な敷地に新しい街が誕⽣した。この新しい街の中⼼にある本学校は、⼩学校と中学校を同⼀建物で、体育館やプール、図書室などの共⽤空間を⼀体的に整備している。地域の連帯感を育む家のような存在をめざし、なるべく低層でボリュームを分節し 、接地性を重視した。「イエ」(ハウス)と呼ぶ教室群や共有空間をL字型にずらしながら配置することで、⾃然採光・通⾵を促進する「ニワ」(前庭や中庭)を⽣み、⾵や光が⼼地よい、適度な⼤きさの⾊々な居場所を創出した。区切ったり、広く使ったり、多⽤途に転⽤したり、新しい街の「ひと」の変化に柔軟に対応できるつくりとしている。

 

まちの環境を共につくる

新しい街と共に⼀体的に整備することで、緑豊かな街路やオープンスペースに囲まれた、塀のない、街に開かれた学校となっている。交差点に⾯する広場は気軽なコミュニケーションの場にもなる。また、多様な在来種による緑化により、まち全体へつながるみどりのネットワークを展開。清掃⼯場の余熱は、屋内プールの加温や空調に活⽤し、地域開放も予定している。まちから恵みをもらい、まちに還元する学校となっている。

 

ハウス(教室群)のさまざまな居場所

各ハウスを適切な規模(5つの普通教室)とすることで、中庭や吹き抜けから⼼地よい⾵と光が⼊り、視線が抜ける開かれた学習・⽣活空間となった。また、学年スペース・読書コーナー・教材スペースをセットで設け、広々とした空間・こぢんまりとした落ち着く空間、先⽣のための準備スペースなど、さまざまな「居場所」を設けている。回遊性のある廊下には街の様⼦が⾒える階段、⾃然光の⼊る⽔廻りやベンチ、特別教室の様⼦が⾒える窓などが連なり、学校⽣活を楽しく彩っている。

 

 

所在地
東京都中央区
構造
SRC造/一部RC造/S造
規模
地上5階 地下1階
延床面積
25,814m2
主な用途
学校
竣工
2024年02月
撮影
株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村 隆

2024年 グッドデザイン賞

主な実績