東京都立立川緑高校
- 東京都立川市
- 2024年
チャレンジする生徒の気持ちに寄り添う校舎
さまざまな事情によって学びを中断した生徒たちが、新たな環境で再び学びと向き合うための三部制の定時制高校である。
「個人で学ぶ」から「仲間と学ぶ」場へ
個別のサポートを受けながら、生徒が「仲間と共に学ぶ」環境を充実させた。職員室とラウンジ、視聴覚、図書館、自習室を一つながりの空間としてとらえ、生徒の多様な自主学習を教師がそばで見守るアクティブラーニングスペースとして整備した。
仲間と一緒に、また一人でも自由にすごせる「生活の場」として、中庭を囲んでラウンジ、図書館、食堂を配置し、常に誰かに見守られている安心感のある場を提供する。
普通教室+特別教室から教科教室型へ
普通教室を各科目の講義室と捉え、教科教室型の運用とした。教室の配置にあたっては、例えば、“アート”というテーマのもとに美術教室・工芸教室を近接させるなど、テーマ性を意識して教科ごとのまとまりを形成している。
「多様なカウンセリグ環境」として、プライベートな小さな個室や明るい中庭に面した部屋などの多様性を確保した。
校地の特徴を活かす
校舎は、整形な敷地に合わせたロの字型とすることで、分かり易く行き止まりのない回遊性のある空間としている。旧都立図書館の地下躯体を存置し山留工事に活用、その内側に地下を活用した大空間の体育館、武道場を配置した。
教職員のウェルビーイングを向上させる
生徒をサポートしやすく、かつ教員が快適に執務を行うのに必要となる広さの執務空間や休憩スペースを確保。生徒からの学習相談や個別指導を行いやすい環境を整えた。
周辺環境へ配慮した計画
閑静な住宅街に位置することから、活動音や視線の見合いに配慮した。特に体育館、武道場などの活動音が外へ出ない計画としている。また敷地四周は、既存の歩道状空地をさらに拡幅し、緑化などの整備を行った。
- 所在地
- 東京都立川市
- 構造
- S造/RC造
- 規模
- 地上3階 地下2階
- 延床面積
- 13,929m2
- 主な用途
- 定時制高校
- 竣工
- 2024年10月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村 隆