東北大学(青葉山3)農学系総合研究棟

  • 宮城県仙台市
  • 2016年

「環境調和型キャンパス」のランドマーク

本計画は、仙台市青葉区堤通雨宮町にあった農学研究科・農学部の青葉山キャンパスへの全面移転に伴い計画された、教員研究室、学生・教員研究室、実験室からなる「総合研究棟」である。移転にあたり、図書館・講義室・厚生施設が複合した「青葉山コモンズ」、「動物研究棟」も整備された。青葉山キャンパスのメインストリートとなる「キャンパスモール」を西に臨んだ正面に位置し、青葉山新キャンパスのシンボル性の高い風景を創る建物として位置づけられている。5階建てで四周街路に面し、中庭にも敷地の緩やかな高低差を取り込んだ配置計画は、周辺の環境に調和した適度なスケール感とともに、快適な教育・研究環境を創り出している。 施設全体はロの字型の実習部門、円弧状の研究部門にゾーニングされており、重要な実験機器を有し、大勢の学生が利用する建物の安全性を確保するため、免震構造を採用している。 実習部門は「キャンパスモール」に面した東側、アトリウムを挟んで中庭に面して教員研究室、学生・教員研究室を配置し、教員と学生の距離を近づけるとともに、潤いのある外部空間に面した質の高い居住空間とした。 一方、東面以外の外周には実験室を配置し、メカニカルバルコニーを巡らせ、設備の更新性に配慮した。研究部門では、より高度で長期にわたる研究を行うため、居住性と設備更新性の両立を図った。 外観はマスタープランのデザインコードを踏襲し、基礎部・中間部・頂部の三層構成で、縦を強調したリズミカルなデザインとした。外壁には片平キャンパスで使用されているアースカラーのスクラッチタイルを用い、大学としての歴史・風格を継承する素材・色彩としている。

所在地
宮城県仙台市
構造
RC造
規模
地上5階
延床面積
27,132m2
主な用途
大学
竣工
2016年10月
主な実績