佐久大学６号館

佐久大学は、長野県の地域医療先進エリアに位置し、保健・医療・福祉の総合大学としての役割を担っている。本計画は、人間福祉学部の新設に伴い、キャンパスを再構築するものである。キャンパスは高台にあり、南側には八ヶ岳連峰を望むことができる自然豊かな場所にある。外観は雄大な山並みに呼応した大らかな屋根を持つ伸びやかな風景とした。国道141号バイパスからの景観を意識し、屋根が印象的なシンボル性の高いキャンパスを目指した。建物はメディアセンター、講義室、ゼミ室など機能的な学びの空間から成る。校舎中央には大画面投影のできる「発表スペース」を設けた。一人で集中して学べる空間、数人でグループ学習を行える空間、成果を発表する空間など、学生が自ら場所を選び、主体的に学べる環境を創出した。より地域に根差した建物とするため、軒天や天井に長野県産の杉ルーバーを用い、学生たちをやさしく包み込む空間とした。「大屋根の下に集い、学び、育む」佐久アカデミック・コモンズが誕生した。