八重洲セントラルパークビル
- 東京都中央区
- 2015年
これからの八重洲のために
八重洲一丁目は、古くからビジネス街として栄えてきたエリアである。プロジェクトが開始された2011年には、日本橋周辺における再開発の影響を受け、東京駅と日本橋を結ぶショッピングや観光を目的とした歩行者ネットワークが形成されつつあった。
八重洲は、街区を再編する大規模再開発や、中規模建築の建替え計画も多く、商業地としての性格をよりいっそう高め、街並みにおいては、大小さまざまな個性ある建築によって、多様な表情に変化していくことが予測できる。
東京駅駅舎のデザインをはじめとし、歴史を積み重ねた格式ある丸の内の街並みに対し、時代の流れに柔軟に変化し、先進性と個性ある街並みに成長するであろうという点が、八重洲の都市性であると考えられる。
本プロジェクトでは、外堀通りに面し東京駅から望むことのできる好立地であることを活かし、これからの八重洲の特性を表した個性ある建築デザインの実現を目指した。シンプルな造形によってシンボル性ある外観を具現化するため、ユニットカーテンウォールによる多角形のガラスファサードとし、見る角度により印象が変化する商業施設らしい表情と、街並みにおける強い存在感の創生を重視した。
また、外堀通りの歩行者を誘い込むように大きく開放したエントランスゲートは、間口の半分以上を常に開放し運用することで、街と施設の連続性を高め、双方の賑わいを生み出す「しかけ」として、八重洲の更なる発展を生み出すものとなる。
- 所在地
- 東京都中央区
- 構造
- S造/一部SRC造/一部RC造
- 規模
- 地上12階 地下2階
- 延床面積
- 15,239m2
- 主な用途
- オフィス、商業施設
- 竣工
- 2015年10月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所 浜田昌樹
- 備考
石本建築事務所、安藤・間JV