翔薬 本社ビル
- 福岡県福岡市
- 2019年
2つのボリュームをスキップでつなぐオフィスビル
■好立地から生まれた2つのボリューム
敷地は博多駅、福岡空港に近い大通りと東側に大きな川が交差する角地である。 2年前に竣工した南側に隣接する配送センターも含めた本社再整備計画の2期工事であり、配送センターを含めた全体の統一感を意識しつつ、敷地のポテンシャルを生かす外観とした。建物構成は、立地条件を活かして交通量の多い大通り側に企業をアピールし、来客を迎える「コミュニケーション棟」を、安定した採光・通風を確保できる川側に「事務棟」を配置し、2つのボリュームの性格がそのまま外観に表れるようにした。
■執務環境の快適性から生まれた窓
北東を流れる川に面する事務棟は、1年を通して吹く川下からの風を積極的に事務室に取り込み、かつ夏の朝日を入れずに開放的な事務室を実現するために、角度をもった窓が連続する計画とした。
■人をつなぐスキップフロア
「すべての人々を笑顔に」という企業方針を大切にし、笑顔や活気が、オフィス全体に広がる空間を目指した。スキップフロアによる断面構成とすることで、ゾーニングを明確にしながらもフロア毎に分断されない空間とした。コミュニケーション棟と事務棟の2つのボュームは、交点に吹抜けと階段を設けてスキップフロアとし、2つの機能と上下階とを緩やかに連続させた一体感のあるオフィスビルとなっている。利用率が70%を超える会議室郡が各事務室の中間階に配置されることで、比較的容易な移動を可能にし、違うフロア同士の出会いや交流が生まれる環境となっている。
- 所在地
- 福岡県福岡市
- 構造
- S 造
- 規模
- 地上4階
- 延床面積
- 7,168m2
- 主な用途
- オフィス
- 竣工
- 2019年07月
- 撮影
- 株式会社写真通信 八幡輝幸