神奈川県東庁舎
- 神奈川県横浜市
- 2020年
歴史文化的景観×環境技術の融合を体現した県庁舎
分散した県庁舎機能の集約や防災強化と共に、店舗機能を付与させて、県民サービス向上と地域創生を目指した施設である。横浜港へ直線に伸びる日本大通りに面し、県庁庁舎、横浜開港資料館、海岸教会等の歴史的建造物に囲われた、類まれなる立地となる。歴史性豊かな通り景観に呼応する「近景・中景・遠景」の調和を目指し、低層部のコーニスを横浜開港資料館と合わせ、街並みを意識した31mスカイライン、高層部は透明性を意識したガラスファサードとしている。石を基調とする低層部の彫りの深い外装は、歴史的調和を図りながら、日射の抑制と風をとらえる形状による自然通風を生み出し、高層部は日射遮蔽とエアキャッチを兼ねた縦ルーバーに太陽光発電を組み込んだ多機能な環境ファサードの構築により、歴史性と環境技術が融合した佇まいを実現した。庁舎の出現は、敷地内にとどまらず、かつて開港資料館と一体敷地だったという土地の記憶を呼び覚まし、県と市の協働によって、敷地境界を越えた都市アメニティを創出している。
- 所在地
- 神奈川県横浜市
- 構造
- S造/一部SRC造
- 規模
- 地上13階 地下1階
- 延床面積
- 12,051m2
- 主な用途
- 役所庁舎
- 竣工
- 2020年11月
- 撮影
- 株式会社エスエス 中尾 孝佑