安中市新庁舎
- 群馬県安中市
- 2026年
— みちがあつまり、人が集まる庁舎
安中市はかつて旧中山道の宿場町として栄え、現代では新幹線が通るなど、市内外の多様な人々が行き交う主要な「みち」によって成り立ってきた歴史がある。計画地エリアは旧東山道、旧中山道、国道18号、西毛線の幹線道路が集まる、安中市を象徴する場所である。「みち」があつまり、まちをつくる。人々が集まり、市民の多世代交流が生まれ、明るい未来につながる道標となる建築を目指した。
安中市は杉並木などの歴史的景観、妙義山に代表される山岳景観、工業地帯による産業景観が重層する。これらの特徴的な景観に寄り添うように、庁舎機能を分節し、3つの細長いブロックが重なりあう3階建ての低層建築とした。短冊状のブロックがはなれたり、ずれたり、浮いたりすることでできる余白(共用部)は、光や風の通り道でもあり、「みち」や「あきち」として、まちにつながり、だれもが気軽に立ち寄れる開かれた庁舎となる。
計画敷地は旧安中高校の跡地で、市民開放された既存体育館と隣接する。主要前面道路と旧中山道側から後退する位置に建物を配置し、南北に貫通する歩行空間「すぎなみきのみち」を計画した。また、駐車場を南北に設けることで近隣に対する建物高さの軽減効果や、うらおもてのない公共性の創出を企図した。
体育館との間には「ウエルネス広場」を設け、四季を通じた市民の活動スペースとして活用されることを想定している。ウエルネス広場には、庁舎3階部分がブロックのように上空にせり出すことで大きな軒下空間が形成される。これにより、ウエルネス広場がより開かれたパブリックスペースとなり、「すぎなみきのみち」を通じてまちにつながることを目指した。
庁舎内は、執務、保健センター、議会の機能を集約させつつ、機能ごとにブロック状のボリュームとして整理し分節することで、来庁者にとってわかりやすいユニバーサルデザインとした。「みち」としての共用部には中庭や吹抜を設け、セキュリティー区分、採光通風計画を成立させるほか、空間のつながりによる視認性向上、内外の境界をあいまいにし、まちへのつながりを感じる計画とした。
- 所在地
- 群馬県安中市
- 構造
- RC造/一部S造
- 規模
- 地上3階
- 延床面積
- 7,261m2
- 主な用途
- 庁舎
- 竣工
- 2026年03月
- 撮影
- 大沢誠一



