八潮市役所
- 埼玉県八潮市
- 2023年
公園とシームレスにつながる庁舎
1.庁舎の中心に市民を呼び込む
本計画は、既存庁舎の建替えを機に、隣接する中央公園や市民文化会館との一体整備により、新たな都市核となるシビックセンターの形成を図るものである。庁舎と隣接施設との連携という最大の課題に対し、これらを有機的に結ぶ園路を提案した。それぞれの施設に集う多目的、多属性の市民が自然と結びつき、新旧住民の交流や豊かな市民活動が育まれることを目指した。2階には市民活動スペースを併設した野外劇場のような中庭(サークル広場)を設けた。ここに併設した市民活動スペースからシビックセンターへと活動が波及する。市庁舎は市民の誰もが一度は足を運ぶ場所であり、サークル広場が八潮市の新たなシンボルとなり、ここを訪れる市民の記憶に残ることで、市への愛着をより一層高めることを目指した。
2.環境と調和したシンプルなスケルトン天井
サークル広場は、公園と庁舎をつなぐだけでなく、光と風を室内に導き、環境と調和した快適な屋内空間を生み出す。執務室は、デッキプレート現しの天井と、タスクアンビエント照明、天井放射冷暖房システムを採用し、地震時の二次災害の防止と環境性能の両立を図っている。
3.堅牢さと軽やかさを併せ持つハイブリッド構造
計画地における河川氾濫リスクに備え、1階はRC造とし、耐久性と水密性を高めた。一方、2階から上部は鉄骨造とすることで、ロングスパンや大開口など執務室に求められる要求性能に応えている。マッシブな基壇と浮遊感のある上部構造の対比により、その中間にあるサークル広場の存在感を高める構成としている。
- 所在地
- 埼玉県八潮市
- 構造
- RC造/S造(基礎免震構造)
- 規模
- 地上4階
- 延床面積
- 15,608m2
- 主な用途
- 庁舎・保健センター
- 竣工
- 2023年10月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村 隆
- 備考
レジリエンス強化型ZEB実証事業
2024年 第58回日本サインデザイン賞 金賞