東海大学 阿蘇くまもと臨空キャンパス
- 熊本県上益城郡益城町
- 2023年
アクティビティが見え、繋がり、共有し、触発する、のびやかな学びの場
講義・実習・研究がひとつとなった総合的農学教育研究の場「CREATIVE-ONE Village」
2016 年の熊本地震で被災した農学部を移転・再建する計画である。敷地は阿蘇くまもと空港に隣接し、日本と世界、都市と農村、全国各地の東海大学キャンパスとつながりやすく、教職員、学生の交流が図れる利便性を有する。コンセプトである「”生きた農の力”で創造的な人材と未来を育む農学部」を実現するため、講義・実習・研究がひとつになった総合的農学教育研究の場「CREATIVE-ONE Village」とすべく、「アクティビティが見え、繋がり、共有し、触発する、のびやかな学びの場」を目指した。
「CREATIVE-ONE Village」の中心となるキャンパス広場とそれを囲む「2つのリング」で学びのつながりをつくる
配置計画は大学校旗の十字デザインをモチーフに、タテ・ヨコのキャンパス軸を意識し建物やオープンスペース等を整然と配置している。学生の活動と出会いの拠点となる「キャンパス広場」を敷地中央の2号館に計画した。この広場を起点に、農学部の3学科の連携がしやすいロの字型の「ラーニングリング(2号館)」とその外側の実習動線の「アグリリング」の2つのリングがキャンパスでの多様な学びを有機的に結びつける構成としている。
内外様々なところに学生の居場所をつくる
施設内にはラーニングスクエアや図書館のほか、語らい・学び・出会い・リフレッシュ等の様々性格を包含するラウンジを各所に設置、屋外にはキャンパス広場や地域住民との交流できる「芝生広場」等、学生が自分の好きな居場所を見つけ、学年や学部・研究室を越えた偶発的なコミュニケーションが生まれる構成とした。
キャンパス全体で重層的にアクティビティがつながる計画(見る見られる関係の展開)
施設内は可視性が高いガラスパーテーションを採用し、廊下から講義・研究・実験の様子が伺え、室内からも屋外や他の棟の活動が見える。また屋外もキャンパス広場や2つのリングにより、内外問わずアクティビティが繋がり、見え・見られる一体感あふれたキャンパスを目指した。
- 所在地
- 熊本県上益城郡益城町
- 延床面積
- 27,079m2
- 主な用途
- 大学
- 竣工
- 2023年03月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村 隆 / 長谷川 健太
- 備考
2号館
構造:S造/一部RC造
階数:地上3階 塔屋1階食品加工教育実習棟
構造: S造/一部W造
階数:地上1階※他新築27棟、既存改修1棟
2023年 JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2023ウッドデザイン賞 優秀賞(林野庁長官賞) ソーシャルデザイン部門