北区立都の北学園
- 東京都北区
- 2026年
新たな「まち」の風景を彩るぬくもり溢れる学び舎
本施設は、区内の既存小中学校3校を1つの義務教育学校へと再編した、東京都北区初の施設一体型小中一貫校である。道路を挟んだ2つの敷地に、南校舎(普通教室や特別教室などを設置)と北校舎(アリーナやプール、特別教室を設置)をそれぞれ配置し、2つの校舎を道路上空通路「さくらブリッジ」で接続する計画としている。
■「まち」と「学校」をつなぐ水平線
神谷地区に新たな「まち」の風景を創ることを目指して、段々状に積層されたボリュームを、水平ラインを強調した庇が囲む外観デザインを採用した。ボリューム感のある建物が、段々状のなだらかな傾斜によって周囲の住宅地に穏やかに溶け込むとともに、北運動公園や新公園から見上げた際に、テラスの水平線とそこに育つ植物の緑がセットバックしながら積層されていく景観が、あたかも地平線が連続するかのように映ることを意図した。
本施設は、地域に愛された「神谷公園」跡地に建設されるため、テラスや公開空地に緑地を設け、ぬくもり溢れる緑豊かな環境を創った。杉板段付コンクリート壁や、区の木である桜・緑を想起させる色合いのせっ器質タイルといった、自然な風合いを持つ外装は、旧公園の面影を感じさせる。
■9学年の繋がりが創る「学び」と「発見」
さくらブリッジが接続されている3階には、9学年の子どもたちの交流を喚起する配慮を施している。南校舎の3階には、図書館・多目的ルーム・和室など、子どもたちが気軽に立ち寄れる場所を連続させ、異学年の交流と学びの場をつくりだしている。一方、北校舎の3階には創作系科目を集約し、創作過程が見られる「創作ギャラリー」を廊下に面して設け、異学年の活動が垣間見えるようにした。また、さくらブリッジ内にも、子どもたちの活動報告や発表の場となる展示壁を計画することで、日々の移動中に一貫校ならではの「学び」と「発見」が生まれることを期待している。
- 所在地
- 東京都北区
- 構造
- RC造/SRC造
- 規模
- 地上5階
- 延床面積
- 18,872㎡
- 主な用途
- 学校
- 竣工
- 2026年08月
- 撮影
- 株式会社プライズ 山崎浩治
- 備考
2023年12月(1期)
2026年8月(2期工事完了予定)
延床面積
南校舎:12,563.52㎡
北校舎:6,309.30㎡