
<進行中プロジェクト>
松江市庁舎
- 島根県松江市
- 2026年
市民の想いを積み重ねる「だんだん庁舎」
まちの魅力をさらに高める庁舎
本施設は周囲を宍道湖や緑豊かな公園、国宝である松江城に囲まれた自然と歴史が豊かな場所に位置しており、景観的にも観光的にも魅力的なポテンシャルを内包している。この場所の魅力を最大限に表出させ、可視化させることで松江市への親しみや愛着をより一層高めることを目指した。
だんだんテラス
「ありがとう」を意味する「だんだん」という島根の方言から着想を得ただんだん形状の庁舎は、低層部を市民窓口機能、中層部を防災・執行部機能、高層部を議会機能とし、各機能に求められる面積に合わせて平面を積み重ねた結果、自然と機能的にだんだん形状となり新たな風景をつくり出している。また、各階に配された市民開放テラス「だんだんテラス」は、地上から屋上まで屋外階段を使用して一筆書きでアクセスできるようにしており、だんだん形状を存分に味わいながら、宍道湖や松江城といった自然と歴史を一望できる場所として整備している。
松江市らしさ
市産材の杉を使った軒天や、伝統工芸品である出雲和紙を用いた内装、松江城の城壁にも使用されている大海﨑石を使った外構の石垣など松江市らしさを感じさせる材料を庁舎全体に随所に散りばめている。また、各階の庇やテラスを上下に結ぶ屋外階段は「破風」を連想させる形態とし、松江城を想起させる外観デザインとしている。
環境配慮型庁舎
庁舎中央部に1階から屋上トップライトまでの吹抜け「エコボイド」を配置し、年間を通して自然採光や自然換気が確保可能な計画としている。建物周囲には深い庇を各階に設け、日射遮蔽による熱負荷の抑制にも配慮している。太陽光発電パネルは最上階のテラスから見える位置に設けることで環境配慮型庁舎を見える化させている。
- 所在地
- 島根県松江市
- 構造
- S造 一部RC造(免震構造)
- 規模
- 地上6階 地下1階
- 延床面積
- 12,377m2
- 主な用途
- オフィス
- 竣工
- 2026年03月
- 備考
JV:石本・小草・矢野共同企業体
設計期間 2019年1月~2020年10月
監理期間 2021年1月~2026年3月※上記の建物概要は設計完了時のデータです
2024年 第31回しまね景観賞 優秀賞 公共建築物部門