世田谷区立池之上小学校

  • 東京都世田谷区
  • 2024年

広場のような体育館から活動がひろがる学び舎

別棟として配置されることが一般的な体育館を、教室群と等価と捉え、校舎の中央に配置し、その周囲に、理科、音楽、家庭科、図工などの特別教室を配置するという特徴ある平面構成を提案した。体育館の壁に千鳥状に配置された開口から体育の活動や教科が顔をのぞかせる。この「見る見られる」の関係性が児童たちの知的好奇心を高める。学校の中心にあるこの広場のような体育館が、多様な遊びや活動を発信し、学びのポテンシャル向上につながることを期待する。
児童の生活の中心にある木箱のような図書館は、X階段に隣接し、いつでも立ち寄れる安心感をもたらしながら、展示窓を介して様々な本との出会いを育む。「知る」「見る」「互いに高め合う」といった学ぶ楽しさを感じながら、体育館や特別教室と立体的に繋がり、校舎全体を学びの場としている。
ステージ背面の開口からハイサイドライトへと自然風が流れる体育館 、トップライトから天光が照らす図書館、風が抜けるX階段、この「3つのヴォイド」が校舎中央部に自然光や風を届ける。光豊かで開放的な校舎は、見る見られるの関係とともに児童の活動や興味を水平・垂直に大きく広げていく。

所在地
東京都世田谷区
構造
RC造/一部S造
規模
地上4階
延床面積
7,454m2
主な用途
小学校
竣工
2024年08月
撮影
株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村 隆
主な実績