上野原市消防本部・消防署
- 山梨県上野原市
- 2014年
安全・安心を印象付ける力強さの表現
既存施設の老朽化・狭隘化と、通信指令機能の集約・広域化を期に推進された消防署・消防本部の改築計画。迅速な発進動線の確保と施設内の動線分離を最重要視し、前面道路に正対させた鉄骨造の緊急車両車庫と鉄筋コンクリート造2階建ての庁舎棟をL字型に配置する。庁舎棟1階には、消防署の全ての機能を集約、内部に光庭を中心とした回遊型の動線経路をつくることで健全な室環境の確保とどこからも最短かつスムーズな発進を可能としている。庁舎棟2階には、本部機能と一般来庁者の利用を想定した会議室を配置、県産の杉材を動線上に配することで施設利用者をやさしく迎える設えとしている。本部事務室と連続したこの会議室は、災害時には対策本部拠点へと速やかに機能転換が行える。
従前は河川敷であった敷地の環境を可能な限り残した景観と、「安全・安心を守る庁舎」を印象づけるコンクリート打放しのシンプルで力強い庁舎の外観との調和が、新たな市の風景となることを意図して計画している。
- 所在地
- 山梨県上野原市
- 構造
- RC造/S造
- 規模
- 地上2階
- 延床面積
- 1,950m2
- 主な用途
- 消防施設
- 竣工
- 2014年12月
- 撮影
- 株式会社川澄・小林研二写真事務所 中村隆